素人が電子機器をいじってみる

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液晶が映らないジャンクなNintendo Switchの基板修理をしてみた (液晶ドライバICチップ交換)

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今回もジャンク状態になったNintendo Switchの基板修理をします。

 

電源を入れても音は鳴るけど液晶が映らないという状態のジャンク品です。

最初は液晶交換で改善すると思い、液晶を交換してみましたが改善せず。

パーツ交換をしても改善しなかった為、基板修理を行うことにしました。

 

※当記事を読んで作業の真似をされて、万が一製品が故障したり、

不慮の事故が起こっても私は責任が負えませんので全て自己責任でお願いします。

 

まずは修理前の状態を確認しておきます。

電源ボタンを押してもこの通り、液晶が映りません。

画像ではわかりませんがタッチパネルを触ると操作音が鳴り、ジョイコンを接続してみるとカシャーンという音がします。

 

起動していることは確実ですが液晶が映っていません。

 

バックライトが故障している可能性がある為、チェックしてみましょう。

電源を入れる前は少しだけ見えている液晶の裏は暗いままですが

 

電源を入れてみると四角で囲んだ部分が明るくなってバックライトが光っていることがわかります。

 

ここまでの検証で分かったことは、

・液晶が映らないのはバックライトが故障していて見えにくくなっているだけではないこと

・パーツの交換を行っても症状が変わらなかった為、おそらく液晶パーツの故障ではないこと

以上の2点です。

 

となると恐らくは液晶表示自体に問題があるはずなので液晶表示機能に関係するICチップの交換で改善するはずです。

 

では、修理していきましょう!

 

準備するもの

精密プラスドライバ (100円均一のもので大丈夫です)

Y時ドライバ Y2.0

歯ブラシ

無水エタノール (そんなに使うものではないので小容量でいいです)

はんだごて

こて台

はんだペースト

スクレーパー

ペーストタイプのフラックス

はんだ吸い取り線

液晶ドライバ ICチップ もしくは パーツ取り用のジャンク基板

Nintendo Switch用ステンシル

耐熱性絶縁テープ

ホットエアーツール

ピンセット (何本かセットになっているのが今後便利です)

拡大鏡 もしくは デジタル顕微鏡

 

あると便利なもの

修理用の開腹ヘラスパチュラ

耐熱マット

 

 

本体の分解は記事にするほどのことではないので分解後の作業を記事にします。

 

1.液晶ドライバ ICチップを取り外す

分解してICチップの状態を確認してみると明らかに破損していました。

この感じだとICチップの交換で改善することはほぼ確定です。

いつも通り、ICチップにたっぷりフラックスを塗布してヒートガンで熱してICチップを外します。

この際、ICチップのすぐ近くに液晶のケーブルを差し込むコネクタがあるのでコネクタが熱風で溶けてしまわないように耐熱性の絶縁テープを上から貼って保護しておいた方がいいです。

しばらく熱風を当て続けるとICチップと基板の間にあるはんだが溶けてきます。

ICチップをピンセット等で軽くつついてみて、プルっと動くようになっていたらはんだが溶けている証拠なのでそのまま熱風を当て続けながらICチップをピンセットでつまみ上げるとキレイに取り外せます。

(※ICチップの取り外しなどの作業は慎重に行わないと周辺のコンデンサなどが取れてしまったりして修復出来ない状態になってしまう可能性があるので顕微鏡を使用して作業することをお勧めします。)

 

ICチップを取り外すと、ICチップの破片が基板に少し残っていました。

このままの状態ではICチップの取り付けが出来ないので破片を取り除いてから基板に乗っているはんだを吸い取ってしまいます。

はんだが残っている部分にはんだ吸収線を乗せて上からはんだごてでしばらく熱すると基板に残っているはんだが溶けてはんだ吸収線に吸い取られていきます。

大体はんだごての温度は400~450℃程度に設定しておけば吸い取ることが出来ると思いますが、もし全然はんだ吸収線に吸い取られない場合ははんだごてを使ってはんだ吸収線に直接はんだを少し吸わせたものを使うとキレイに吸い取ることが出来るはずです。

 

 

基板に残ったはんだを除去出来たらヘッドにエタノールを含ませた歯ブラシでゴシゴシと磨いて基板を洗浄します。

基板の洗浄が終わったら新しいICチップの取り付けを行います。

今回は基板修理をしてみてもなおらなかったNintendo Switchのジャンク基板からICチップを取り外して使います。

既に上記と同じ工程でジャンク基板からICチップを取り外してあるので次はICチップを取り付ける準備をしていきます。

 

 

2.交換用の液晶ドライバ ICチップに予備はんだをする

 

ジャンク基板から取り外したICチップに予備はんだをします。

 

取り外したICの裏面にフラックスを塗布してはんだ吸収線で残ったはんだを吸い取ります。

この状態ではんだボールかペーストはんだを使ってICチップ自体にはんだを乗せます。

今回はペーストはんだを使い12個あるランドにはんだを乗せます。

ペーストはんだではんだを乗せる場合はステンシルと言われる型が抜かれている金属板を使います。

 

Nintendo Switch用のステンシルを購入したのですが今回交換するICチップに合う型が無かったので不要な穴をカプトンテープで塞いでしまいました。

この状態でペーストはんだを塗りこんで12点あるランドにだけはんだが乗った状態にします。

ステンシル自体はICチップの上に乗せているだけではズレてしまい、作業しにくいのでテープで止めたりして固定してください。

 

あらかじめある程度の量のペーストはんだをステンシルの穴が開いている部分に乗せてからスクレーパーでペーストはんだを除去していけば自然と穴がペーストはんだで埋まっていると思います。

もし埋まらなければ再度ペーストはんだを乗せて穴を埋めるように意識しながらスクレーパーを動かせばきれいに埋まるはずです。

12点全て均等にペーストはんだが乗ったらヒートガンで熱していきます。

 

上から熱風を当てて熱する場合は、ステンシルが急激に熱されると曲がってしまい、ICと密着していた部分が浮いてきてうまく半田付け出来ないことが多いです。

遠くからステンシル全体を均等に熱していって、徐々にヒートガンを近づけていきある程度ステンシル全体が温まったらIC部分を熱するようにすると失敗しにくいと思います。

(ちなみに私はブックスタンドに乗せて下から熱風を当ててはんだペーストを溶かすという方法を取っています。)

 

3.新しい液晶ドライバ ICチップを取り付ける

故障した基板と交換用に用意した液晶ドライバICチップ両方ともはんだ付けの準備が整ったので基板に取り付けていきます。

 

ICチップを取り付ける箇所にフラックスを塗布しておきます。

 

フラックスを塗布出来たらICチップを置きます。

この際にICチップの向きを間違えないように、置く位置がズレないように注意してください。

 

ICチップの位置決めが終わったら上からヒートガンで熱します。

ヒートガンの設定は取り外したときと同様、温度は450℃、風量は4~5くらいです。

しばらく熱してからICチップをピンセットで軽くつついてみて、プルプルと動くだけで位置がズレなければ取り付け完了です。

(強くつつきすぎると位置がズレてやり直さないといけなくなるので本当に軽くつつきます。)

 

ICチップの取り付けが終わったら少し基板を冷まします。

ある程度基板が覚めたら基板に残ったフラックスを無水エタノールを使って洗浄しておきます。

この際に無水エタノールを含ませた歯ブラシを使い、こするときれいに洗浄出来ます。

これでICチップの交換作業は完了です。

 

4.動作確認をする

ICチップの交換が終了したので本体を元通りに組み上げて動作確認を行います。

電源を入れてみると無事に液晶が映るようになっていました。

 

どういう経緯で故障したのかはわかりませんが、今回は珍しい故障だったんじゃないかと思います。

ただ、液晶が映らないという症状だった為、故障個所の特定は簡単だったので原因がわからず電源が入らないというようなものよりは簡単でした。

 

 

次はPSPの修理かPS3の修理でも記事にしようかと思っております。

出来るだけ早く書ければいいですがいつ更新出来るかはわかりません。

ちょっとでも興味がある方はまた覗きに来ていただければ嬉しいです。

ではまた次回。

 

他にも基板修理とかやったのを記事にしてますので読んでみてください。

 

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