今回はモニター出力出来ないジャンクのWiiをお預かりしましたので基板修理をしてみます。
電源を入れるとランプは緑に点灯するがモニターには何も表示されないという状態です。
映像出力端子に破損などの異常は見られませんでしたので基板の故障かと思いますので基板修理してみたいと思います。
※当記事を読んで作業の真似をされて、万が一製品が故障したり、
不慮の事故が起こっても私は責任が負えませんので全て自己責任でお願いします。
今回修理するのがこちらのWii本体です。
分解して映像出力端子をチェックしてみましたが端子自体には特に異常はありませんでした。
ということで、修理していきましょう!
準備するもの
- 余程特殊なネジが使われていなければこれがあれば大抵の端末は分解出来ると思います
- フラックスの除去に使用します
- フラックスの除去に使います。
- 残れば掃除などに使えますが必要なければ小容量のもので大丈夫です
- こて先の温度が上がる速度が早く使いやすいです
- 土台に重量がありはんだごてを置いても安定します
- ICチップの取り外しと溶接に使用します
- 液体のフラックスとは違い蒸発しにくくはんだ付けが容易になります
- 少しの作業量ならこの程度の量で充分です
- ICチップ取り用にジャンク基板を使用します
- 基板実装部品の取り外しや取り付けに使います
- 6種類セットになっているので用途別に使い分け出来て便利です
- 細かい作業になるので顕微鏡で拡大しないと精度が落ちます
あると便利なもの
- 分解時、固くて開腹・殻割りしにくい部分にはこれが便利です
- 上記の工具が大きくて使いにくい箇所にはこちらのヘラが便利です
本体の分解は記事にするほどのことではないので分解後の作業を記事にします。
1.液晶ドライバ ICチップを取り外す
今回は何の確証もないですがこちらのICチップの交換を行っていきます。
特に周りにあるコンデンサがショートしている訳でもなく、見た目にも異常は見られません。
ただ、映像が出力出来ないのであればこのICチップが原因だろう、ということで交換してみます。
今回交換するこのICチップの裏にはCPUがあり、取り外す作業の際に必要以上に熱を加えてしまうと起動しなくなってしまう恐れがあると判断したので、念のためにICチップの足に低融点のはんだペーストを塗布しておきます。
とりあえずこのようにはんだペーストをピンの上から塗布します。
塗布したはんだペーストをはんだごてでピン全体になじませます。
同じ作業を四辺に行います。
四辺にはんだペーストがなじんだらフラックスを塗布してホットエアーで加熱します。
このように予め低融点のはんだペーストをはんだ付けしておくことで取り外す為の加熱温度を低くすることが出来、加熱時間も短くて済みます。
このまま400℃、風量4程度で加熱を行います。
しばらく加熱して予めピンの上に乗せていた低融点のはんだが溶けてきた頃合いを見計らってICチップをピンセットでつまみ上げます。
(※ICチップの取り外しなどの作業は慎重に行わないと周辺のコンデンサなどが取れてしまったりして修復出来ない状態になってしまう可能性があるので顕微鏡を使用して作業することをお勧めします。)
ICチップの取り外しが完了しました。
基板の溶接点に低融点のはんだが塊になって残っているのではんだ吸収線で吸い取っておきます。
今回は低融点のはんだペーストを事前に塗布していた為、溶接点に残ったはんだは容易に除去できました。
このような溶接点のはんだを吸い取る際、なかなかきれいに吸い取れないことがあったりします。
そんなときは小手先の温度が低かったり、フラックスが足りなかったりします。
また、今回のように低融点のはんだを使わずにICを取り外したのであれば、溶接点全体に低融点のはんだをのせてから吸い取り線で吸えば簡単に除去できることが多いです。
吸い取れないからといって無理に力を入れてしまったりすると溶接点が剥離してしまうこともありますので上記の要点に注意しながら作業してください。
溶接点がきれいになったところで予備はんだを行っていきます。
いつも通りはんだ付けを行う部分にフラックスを塗布します。
そこにはんだごてを使って予備はんだしておきます。
取り付ける際もあまり加熱したくないので予備はんだ作業にも低融点のはんだペーストを使用しました。
これでICチップをはんだ付けする準備が整いました。
今回は海外サイト等でも交換用のICチップが見つからなかった為、起動しないジャンク基板から取り外したICチップを取り付けます。
2.ジャンク基板から取り外した ICチップをはんだ付けする
ジャンク基板から取り外したICチップを取り付けていきます。
作業前・作業中の写真を撮り忘れてしまったのですが該当部分にICチップを乗せて上からホットエアーで加熱してはんだ付けしました。
しっかりとエタノールを含ませた歯ブラシで残ったフラックスを除去すればICチップ交換作業は完了です。
3.動作確認をする
ICチップの交換が終了したので本体を元通りに組み上げて動作確認を行います。
電源を入ると無事にモニターに起動画面が映るようになっていました。
経年劣化による故障だったのでしょうか。
故障の原因を突き止めてからの作業ではなかったので復旧するか不安でしたが復旧して何よりでした。
Wiiの基板修理は今回が初めてでしたが何とかなりました。
基板修理よりも分解組み立てが面倒でした...
これは今後あまりやりたくない端末ですね。
最近全然ブログの更新が出来ておりませんが修理などの作業はほぼ毎日のようにやっております。
日々の作業をTwitterで更新すればいいのですがそれもなかなか面倒で...
Twitterの更新だけでも頻繁にすればアクセス数も増えるかと思うので頑張ろうとは思っているんですけどね。
お預かりしている端末で初めてやってみる作業のものがあり、なかなかうまく進まず少し難航しているものがありますが、それが一段落したらブログもTwitterもこまめに更新するように心がけます。
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他にも色々と基板修理をしていますので読んでみて欲しいです。