今回はご自身でガラス交換をする際にデジタイザ (タッチセンサー、ガラスパネルのケーブル) を接続するコネクタ端子を破損させてしまい、タッチ操作が出来なくなってしまったiPad mini2の基板修理の様子をご紹介します。
写真でタッチ操作が出来ないことをお伝えするのが難しい為、分解後の写真ですが本体右側にある基板の右下部分にあるコネクタ端子が破損してしまったとのことでした。
コネクタ端子の交換を行い、正常にタッチ操作出来る状態に復旧させることが出来るでしょうか。
早速修理を進めていきたいと思います。
※当記事を読んで作業の真似をされて、万が一製品が故障したり、
不慮の事故が起こっても私は責任が負えませんので全て自己責任でお願いします。
準備するもの
- 余程特殊なネジが使われていなければこれがあれば大抵の端末は分解出来ると思います
- フラックスの除去に使います
- もちろん100均のもので十分です
- こて先の温度が上がる速度が早く使いやすいです
- 土台に重量がありはんだごてを置いても安定します
- コンパクトで作業しやすいです
- 液体のフラックスとは違い蒸発しにくくはんだ付けが容易になります
- 基板実装部品の取り外しや取り付けに使います
- 基板裏のドックコネクタ溶接部に熱風が直接当たらないように保護する為に使います
- 6種類セットになっているので用途別に使い分け出来て便利です
- 細かい作業になるので顕微鏡で拡大しないと精度が落ちます
- 基板実装部品取り用にジャンク基板を使用します
あると便利なもの
- 分解時、固くて開腹・殻割りしにくい部分にはこれが便利です
- 上記の工具が大きくて使いにくい箇所にはこちらのヘラが便利です
- ネジが多いので分解時に電動ドライバーがあるととても楽です
1.故障したデジタイザコネクタ端子を取り外す
端子の状態を確認してみたところ、端子のピンがほとんど抜け落ちてしまっておりました。
この状態ではタッチ操作が出来なくなっているのもうなずけます。
この端子を取り外し、ジャンク端末から取り外した正常な端子に交換すればタッチ操作出来るようになると思いますので交換していきます。
顕微鏡で拡大してみるとこのようになっていました。
20本ある内の5本しかピンが残っていません。
今回は基板の裏から熱を加えてコネクタを取り外そうと思うので基板の裏に耐熱テープを貼りました。
このコネクタの裏にはドックコネクタを溶接している部分があるので何もせずに熱風を当てるとドックコネクタの溶接部分が熱で溶けてしまう可能性がある為です。
また、取り外すコネクタ端子の周りにフラックスを塗布しておくと取り外しやすくなります。
準備が出来たら基板の裏から熱風を当ててはんだが溶けるまで加熱します。
一気に過熱するとうまく取れないこともあるので今回は300℃程度でしばらく基板を加熱し、少しずつ熱風の温度を上げて400℃にした時点で取り外せました。
取り外せる目安ははんだ部分がキラキラと光ってくる頃合いです。
溶接部分がつやを帯びてきたと思ったらピンセットでつまみ上げると取れるかと思います。
無事に取り外せました。
裏面も確認してみましたが耐熱テープのおかげでほぼ元の状態のままでした。
これで交換用のコネクタ端子を溶接する準備が整いましたので次は端子を溶接していきたいと思います。
2.ジャンク基板から取り外したコネクタ端子を溶接する
壊れた端子を取り外せたらあらかじめジャンク端末から取り外していたコネクタ端子を上に乗せ、再度裏から加熱していきます。
取り外したときと同様、300℃程度から加熱し、少しずつ温度を上げて溶接しました。
取り外したばかりで基板がある程度加熱された状態だった為、取り外しをするよりも短い時間で溶接出来ました。
交換作業が終わったらエタノールを含ませた綿棒や歯ブラシでフラックスを除去します。
目視ではしっかり溶接出来ているように見えるので元通り組み立てて動作確認してみます。
3.組み立てて動作確認をする
組み立てて電源を入れてみました。
最初はこの状態でパスコードを入力しようとしてもタッチ操作が出来ない状態でしたがコネクタ端子の交換を行ったことでタッチ操作が出来るように復旧しているはずです。
操作してみると無事にタッチ操作出来る状態に復旧しておりました。
今回も基板修理大成功です。
他の基本的な動作も問題なく出来ているようで再度使える状態に復旧させることが出来ました。
たまたま同じ端末のジャンク品が手元にあったので今回は割とすぐに対応させていただくことが出来ました。
古い世代の機種ですが大事なデータが保存されていたそうで、無事にデータを取り出すことが出来て喜んでいただけました。
交換に使う部品の質によっては今回のようにコネクタを破損させてしまうこともあるようです。
(今回は一度取り付けて動作確認をした後に部品を取り外したらピンが抜けてしまったそうです)
端末の状態によっては溶接部分が劣化していてコネクタの抜き差しをするだけで今回のような故障を引き起こしてしまう可能性がありますので特に慎重に作業される方が良いのではないかと思います。
私のような素人に毛の生えた程度の技量でどこまで対応出来るかはわかりませんが同じような故障でお困りの方は是非一度ご相談ください。
ご依頼は下記リンク、もしくはX (Twitter)、InstagramからDMでご相談いただければ対応させていただきます。
ココナラさん経由では手数料が多く取られてしまう為、X (Twitter)、Instagramからご依頼いただいた場合はココナラさんで出品させていただいている金額よりも安く修理させていただきます。
ちなみに修理料金の目安は以下の通りです。
・PS5 HDMI出力不良 15,000円~
・PS4 起動不良 10,000円~
・PS4 ICチップ交換 8,000円~
・PS4 Wi-fi / Bluetooth不良 8,000円~
・PS3 YLOD復旧 (一時的復旧) 10,000円~
・PS3 YLOD復旧 (長期的復旧) 30,000円~
・PS3 起動不良 10,000円~
・Nintendo Switch 充電不良 5,000円~
・Nintendo Switch エラーコード 8,000円~
・Nintendo Switch 起動不良 8,000円~
・Nintendo Switch ブルースクリーン 10,000円~
・Wii 映像出力不良 10,000円~
過去に修理経験の無い端末でも復旧させることが出来るかどうかはわかりませんがご相談いただければ出来る範囲で対応させていただきます。
何でもお気軽にご相談ください。
今までに修理させていただいた端末のことを記事にしておりますので参考程度にご覧ください。