今回はコントローラーを認識せず、何も操作が出来ないというPS4の修理のご依頼をいただきましたので基板修理させていただきました。
起動させるとこのようにコントローラーを接続するように促されます。
画面の指示に従い、本体とコントローラーをケーブルで有線接続してPSボタンを押してみましたが何の反応もありませんでした。
ご依頼主様もケーブルを変えてみたり、コントローラーを変えてみたりしたそうなのですがこの画面から先に進めなかったとのことでした。
ご相談いただいたときに色々と調べてみたところ、どうやら無線関係の故障が原因という情報を得まして、無線系のモジュール基板の交換はPS3でも何度かやっていますので技術的には出来る内容でしたので修理を承ることにしました。
それでは修理していきましょう。
※当記事を読んで作業の真似をされて、万が一製品が故障したり、
不慮の事故が起こっても私は責任が負えませんので全て自己責任でお願いします。
準備するもの
- 余程特殊なネジが使われていなければこれがあれば大抵の端末は分解出来ると思います
- 上記のドライバーでは大きいネジを回すのが困難な場合がありますのでこのような大きめのドライバーも1本あるといいと思います
- フラックスの除去に使います
- もちろん100均のもので十分です
- フラックスの除去に使います。
- 残れば掃除などに使えますが必要なければ小容量のもので大丈夫です
- こて先の温度が上がる速度が早く使いやすいです
- 土台に重量がありはんだごてを置いても安定します
- コンパクトで作業しやすいです
- 液体のフラックスとは違い蒸発しにくくはんだ付けが容易になります
- 色んなサイズがありますが今回は0.6mmのものを使用します
- 基板実装部品の取り外しや取り付けに使います
- 6種類セットになっているので用途別に使い分け出来て便利です
- 基板のはんだを吸い取る為に使用します
- 細かい作業になるので顕微鏡で拡大しないと精度が落ちます
あると便利なもの
- ネジが多いので分解時に電動ドライバーがあるととても楽です
- 分解時、固くて開腹・殻割りしにくい部分にはこれが便利です
- 上記の工具が大きくて使いにくい箇所にはこちらのヘラが便利です
1.別のHDDにFWをインストールしてみる
もしかするとファームウェアの問題なのかもしれないと思い、別の本体から取り出したHDDに交換し、ファームウェアをインストールしてみようと思います。
まずは本体のフタを外し、元のHDDを取り外します。
そして別の端末から取り外したHDDをHDDカバーに取り付け、本体に取り付けます。
新しいHDDに交換出来たら再インストール用のFWを保存したUSBメモリも接続して電源を入れます。
セーフモードで立ち上がったら有線で接続したコントローラーで操作が出来る状態でしたので画面の指示に従いUSBメモリからFWをインストールしてみます。
すると上記のような画面になり、「SU-41283-8」というエラーコードが表示され、電源を切るように指示されました。
何度やっても同じようにSU-41283-8というエラーコードが表示されてファームウェアのインストールすら出来ない状態でした。
これはやはり基板故障のようで、Wi-Fi / Bluetooth回路が故障していると上記のようなエラーが出るそうです。
ということでWi-Fi / Bluetoothモジュール基板の交換を行いたいと思います。
2.Wi-Fi / Bluetoothモジュール基板を交換する
故障していると思われるWi-Fi / Bluetoothモジュール基板を取り外します。
フラックスを塗布し、500℃で風量6~8程度でモジュール基板を熱していきます。
この際、一か所をだけを集中して熱し続けてしまうと、熱された基板層が膨張して基板層が断裂してしまうことがありますので基板を熱する際は一か所をずっと熱するのではなく、ぐるぐると円を描くようにして取り外したい部品の周りも熱するような感じで作業を進めてください。
ある程度熱しているとモジュール基板とメイン基板の間のはんだが溶けてきます。
ピンセットで軽くモジュール基板をつついてみてプルっと動くような状態になったらはんだがしっかりと溶けている状態ですので少しずつモジュール基板をずらして取り外します。
モジュール基板の周りには抵抗チップや同軸コネクタがありますので慎重に取り外してください。
油断すると上記の写真のように周りの部品を不用意にずらしてしまったりします。
(ずれてしまった同軸コネクタはこの後修復しておきました。)
モジュール基板が取り外せたら基板に残ったはんだをはんだ吸収線で吸い取っておきます。
基板上のはんだを吸い取る際に気を付けなければならないのは中途半端な加熱状態ではんだ吸収線を用いてはんだを吸い取ろうとして回路を剥離させてしまわないようにすることです。
事前にはんだ吸収線にはんだごての先に乗せたはんだを吸い取らせ、吸収線にはんだを吸わせた状態で基板のはんだを吸い取るようにすると失敗しにくいと思います。
キレイにはんだを吸い取れたら交換用に用意したWi-Fi / Bluetoothモジュール基板を溶接します。
新しいモジュール基板にはんだが付いていない場合ははんだボールを使用して予備はんだを行っておきます。
(モジュール基板に予備はんだを行う様子を撮り忘れてしまったので写真はありません)
新しいモジュール基板が溶接出来る状態になったらメイン基板にフラックスを塗布しておきます。
向きを間違えないようにモジュール基板を乗せて、ガイドを参考に位置合わせを行います。
設置位置に問題がなければホットエアーで加熱していきます。
最初は500℃の風量3~4程度で加熱し、少しはんだが溶けてきた頃合いを見計らって風量を6~8程度まで上げます。
いきなり風量を多くしてしまうとせっかく位置合わせをして設置したモジュール基板がズレてしまうことがありますので、最初は少し控えめな風量で加熱するのがオススメです。
加熱し続けてピンセットなどで軽くつついてプルっと動く状態になったら新しいモジュール基板の溶接は完了です。
3.動作確認をする
Wi-Fi / Bluetoothモジュール基板の交換が終わったので基板を筐体に戻し起動させてみます。
修理前はコントローラーを接続しても認識してくれず、何も操作出来ない状態でしたが修理を行った結果、無事にコントローラーを認識してくれるようになり、無線でもコントローラー操作が出来る状態に復旧しました。
指示に従って先に進むといつもの操作画面までいけるようになり、Wi-fi接続も問題なく出来る状態でした。
今回のようにPS4がコントローラーを認識せず、アップデートを行ってもエラーコードSU-41283-8が出てしまう場合はWi-fi / Bluetoothモジュール基板の故障が原因のようです。
上記と同じような状態で困っているという方はお声がけいただければ修理させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。
修理のご依頼・お見積もりはTwitter (X) 、InstagramのDMで受け付けております。
見積もりだけでも構いませんので連絡いただければ対応させていただきます。
修理店に出すよりも安く修理させていただけると思いますのでお困りの方はご連絡ください。
ちなみに修理料金の目安は以下の通りです。
・PS4 起動不良 10,000円~
・PS4 ICチップ交換 8,000円~
・PS4 Wi-fi / Bluetooth不良 8,000円~
・PS3 YLOD復旧 10,000円~
・PS3 起動不良 10,000円~
・Nintendo Switch 充電不良 5,000円~
・Nintendo Switch エラーコード 8,000円~
・Nintendo Switch 起動不良 8,000円~
・Nintendo Switch ブルースクリーン 10,000円~
故障内容は他にも色々と対応出来るものがございますのでなんでもお気軽にお問い合わせください。
また、ココナラさんでも修理のご依頼を受付しております。
(ココナラさんでは手数料の関係上少し割高な金額設定となっております)
ご相談だけでも構いませんのでTwitter (X)などのDMでやりとりをするのが不安な方はココナラさん経由でご相談ください。
(ココナラさん経由では手数料が多く取られてしまう為、Twitter (X)、Instagramからご依頼いただいた場合はココナラさんで出品させていただいている金額よりも安く修理させていただいております。)
皆様、お気軽にご相談ください。
もちろん見積もりは無料でさせていただいておりますのでちょっとしたことでもお声がけください。
実際に対応させていただいた修理案件を記事に出来ているものの一部を以下にまとめておきますのでよければご覧ください。
それでは皆様のご依頼お待ちしております。