素人が電子機器をいじってみる

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電源ボタンを押してもピピピで電源が入らないPS3を修理してみた (YLOD修理)

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今回は電源を入れてもピピピと音が鳴るだけで電源が入らないPS3の修理をしようと思います。

 

電源ランプが黄色く光るだけで電源が入らない為、Yellow Light of Deathと呼ばれる症状です。

 

Yellow Light of Death、それぞれの頭文字を取ってYLODとも呼ばれます。

 

「YLOD 修理」で検索するとCPUとGPUのはんだがクラック(ひび割れ)していることが原因なのでそれぞれヒートガンで炙ると直ります、と書かれている記事が沢山出てきますが実際の原因は違うことが多いです。

 

ということで実際の原因を解説しながら進めていきます。

 

※当記事を読んで作業の真似をされて、万が一製品が故障したり、

不慮の事故が起こっても私は責任が負えませんので全て自己責任でお願いします。

 

まずは修理前の状態を確認しておきます。

電源ボタンを押すとこのようにランプが黄色く光ってピピピという音が鳴るだけの状態です。

完全にYLOD状態です。

 

ですがこの程度であれば復旧させることが出来るので修理していきましょう!

 

準備するもの

 

ベッセル(VESSEL) ボールグリップドライバー +2×100 220
  • 上記のドライバーでは大きいネジを回すのが困難な場合がありますのでこのような大きめのドライバーも1本あるといいと思います

 

 

無水エタノールP 500ml(掃除)
  • フラックスの除去に使います。
  • 残れば掃除などに使えますが必要なければ小容量のもので大丈夫です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あると便利なもの

 

 

 

 

 

 

 

 

本体の分解は記事にするほどのことではないので分解後の作業を記事にします。

 

1.タンタルコンデンサを取り付ける

先ほどYLODの原因はCPU・GPUのはんだクラックが原因ではないことが多いと書きました。

では、なぜ多くのYLOD修理の記事にCPUとGPUを炙ったら直りますと書かれているのでしょうか。

まず、実際の原因を解説しますと、下記写真に写っているNEC/TOKINと表記のあるプロードライザと言われる部品の劣化によってYLOD状態になってしまいます。

PS3は放熱性が悪い機種と言われていて、その熱でプロードライザの寿命が縮まるそうです。

このプロードライザというのは一種のコンデンサで、電気を貯めたり放電したりする役割があります。(すごく簡単な説明なので詳しくはググって調べてみてください)

使用しているうちに本体内に熱がこもり、その熱でプロードライザの電気を貯めることが出来る容量 (静電容量といいます) が少しずつ少なくなっていき、やがて正常に起動させることが出来なくなるくらい劣化するとYLOD状態になるようです。

 

実際の原因がわかったところでなぜCPU・GPUを炙って直ると言われてしまうのか、というとCPU・GPUを炙ることで基板自体もかなり熱せられます。

作業的にはCPU・GPUを炙っているだけですがその熱がプロードライザにも伝わります。

その熱でプロードライザの静電容量が少し復活し、また使えるようになるというからくりです。

 

なので、大体のYLODはプロードライザを他のコンデンサに置き換えてやることで正常な静電容量に戻すことで直ることが多いです。

ですが、システムの異常などでYLODになることもあるようなので絶対に復旧する訳ではないということはご理解ください。

 

また、CPU・GPUを炙ったら直ります、と書かれている記事には再発する可能性があると書かれていることも多いです。

それは当然、使っていたら再度熱により静電容量が減っていくからです。

ですので、再発しにくいように修理するにはプロードライザを取り外してコンデンサに置き換える必要があります。

ですが、今回は面倒なのでプロードライザの取り外しはせずにタンタルコンデンサを追加で取り付ける、という修理方法で一時的に復旧させていきたいと思います。

 

問題のプロードライザがこの写真に写っている4つのNEC/TOKINと書かれている部品です。

これは裏面にも同じように4つ取り付けられています。

どのプロードライザが劣化しているか調べる方法がない (ない訳ではないかもしれませんが私は知りません)のでとりあえず、GPU側のプロードライザにタンタルコンデンサを取り付けて修復します。

(とりあえずGPU側に取り付けます、と言いましたが今までの経験上GPU側のプロードライザを修復することで電源が入る状態になることが多いです。)

 

実際に取り付ける前にどのように取り付けるか実際に置いてみて位置を決めます。

今回は写真のように取り付けを行います。

 

取り付ける位置が決まったらタンタルコンデンサを取り付ける為に、基板の緑の部分(ソルダーレジストと言います)をクラフトナイフなどで削り、内部の銅の部分を露出させます。

ソルダーレジストの部分は絶縁や基板の保護を目的として塗られているものなのでそのままでは絶対に基板に部品をはんだ付けをすることは出来ません。

なので、上記のように削る必要があるのです。

薄い赤で加工した部分がプラス極、その周りのソルダーレジストの部分がマイナス極なのでそれぞれ赤と青の四角で囲った部分を削って、そこにタンタルコンデンサを取り付けることで修復していく訳です。

 

準備が出来たらレジストを削った部分にフラックスを塗布し、はんだを乗せます。

そこに極性を間違えないようにタンタルコンデンサを取り付けます。

 

取り付けた後はちゃんとはんだ付け出来ているかテスターを使って導通チェックを行います。

タンタルコンデンサの両端にプローブを当てて導通があればちゃんと取り付け出来ているはずです。

 

上記の手順でGPU側にタンタルコンデンサの取り付けが出来たら動作確認を行い、変わらずYLOD状態だったら次はCPU側に追加でタンタルコンデンサを取り付けていきます。

劣化の状態によってGPU側に何個、CPU側に何個取り付ければ復旧するという数は変わってくるので復旧するまで根気よく作業を続けるしかないです。

 

今回は結局GPU側に2個取り付けるだけでは状態が変わらなかったのでCPU側にも追加で2個取り付けてみました。

 

それでは動作確認をしてみましょう。

 

 

2.動作確認をする

タンタルコンデンサの取り付けが終わったので起動するか確認してみましょう。

 

修理前はランプが黄色く光って電源が落ちていたのが、タンタルコンデンサを取り付けたことによって電源が入るようになりました。

 

動作も特に問題なさそうです。

とりあえず30分ほどゲームをしてみましたが電源が落ちることもなく、問題なく使えています。

この修理方法で復旧したけど数時間で電源が落ちてしまうようであれば、追加でタンタルコンデンサを取り付けてみてください。

どこに取り付ければいいかはっきりわからないので困りものですが何個か取り付けてプロードライザ部分の静電容量が正常値に近くなればまた長期間使っていけると思います。

 

正直自分では今後長時間PS3で遊ぶことはないんじゃないかなぁと思うので、ちゃんと復旧しているかどうかはわかりません。

YLOD修理は上記のように割と簡単に、しかも安価に出来るので興味のある方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

修理後はCPUとGPUのグリスをぬぐい取って新しいグリスを塗っておくとさらに再発しにくくなるのでオススメです。

 

ということで今回はPS3のYLOD修理をやってみました。

また、更新するのに間が空いてしまいましたがネタは何を書こうか迷うくらい溜まっております。

(写真を撮って時間が経っているのでどんな修理だったか思い出すのも大変なくらいネタがあります)

そのうちまた時間が取れたら更新しますので気長にお待ちください。

 

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修理店に出すよりも安く修理させていただけると思いますのでお困りの方はご連絡ください。

 

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ちなみに修理料金の目安は以下の通りです。

PS4 HDMI出力不良 8,000円~

PS4 起動不良 10,000円~

PS4 ICチップ交換 8,000円~

PS4 Wi-fi / Bluetooth不良 8,000円~

PS3 YLOD復旧 (一時的復旧) 10,000円~

PS3 YLOD復旧 (長期的復旧) 30,000円~

PS3 起動不良 10,000円~

PS3 HDMI出力不良 8,000円~

Nintendo Switch 充電不良 5,000円~

Nintendo Switch エラーコード 8,000円~

Nintendo Switch 起動不良 8,000円~

Nintendo Switch ブルースクリーン 10,000円~

iPad ドックコネクタ 接点剥離修復 10,000円~

 

良ければ他にもいろんな修理をしていますので読んでいってもらえたら嬉しいです。

 

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ではまた次回。

 

緊急時に頼れる電力を供給!【ポータブル電源】